ゆるり日記

息抜きに身の回りのことや聖書のことなど気の赴くまま書きます

今日の聖書 「わたしにしたのです」

「まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さいものたちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。」マタイの福音書25章40節

 4月半ばにSさんがひどい腰痛で救急搬送、そのまま入院した。当初は80歳という年齢もあって本人も周りの人も圧迫骨折だろうと思っていたが、詳しく調べたら骨にガンが見つかった。根治は出来ないとの診断。Sさんには頼るべき家族がないので昔のよしみで頼まれて私が関わることにした。

それだけ重篤な病気でも入院後1ケ月もすると退院日がちらつき始めるが、彼女の状態では独居生活に戻ることは出来ない。

早急に施設を探さなければならないのだが介護認定調査を申請したばかりで見通しは甘くない。とりあえず入所する施設が決まるまで包括病棟に移して貰えるよう主治医にお願いしたら了承して下さった。

彼女が入所するには医療対応の老人ホームでなければならず費用の問題もある。なおかつ私たち仲間が訪問しやすいローケーションが好ましい。ネットで探したらその条件にあったところが1件だけ見つかった。

その情報を持って病院のソーシャルワーカーに会って相談をした。医療対応老人ホームの利用料の相場を聞いたらSさんの収入ではとても手が届かない。ネットで見つけたところは良いと思ったのだが、ソーシャルワーカーによるとネットに載っている利用料以外にも諸費用が加算されるので相場を見込んだほうが良いとのことだった。

とはいえソーシャルワーカーがネットで見つけたその1件と他のところも当たってくれるとのことだったので望みをかけてお願いした。ソーシャルワーカーなる職種の方とは初めて会ったが、その情報量の多さとプロとしての仕事ぶりに感心した。

有難いことに翌日にソーシャルワーカーから電話があり、私がネットで見つけた老人ホームに連絡を取って確認したら加算分を足しても費用が低く、空室があるので見学に行ってはどうかとのことだった。その連絡を受けてすぐにアポイントを取って見学に行ってきた。

行ってみて老人ホームの外観と内装がSさんの趣味に合っていることが嬉しかった。諸費用を細かく確認してもSさんの収入でも余裕の設定である。施設の暮らしに対する考え方もSさんに合うと思った。他にも解決しなければならない問題が幾つかあって、それが気がかりだったが施設長と話した結果、解決の目途が立った。

「あぁ、Sさんは神さまに愛されている。」と嬉しい気持ちで見学から帰って来て、すぐにSさんに電話報告をしたら「私は本当のところ悲観していたのですが、嬉しいです。ありがとう。ありがとう。」と泣いていた。

本当に嬉しいことにSさんのために何人もの方々が労してくれている。今の家の片付けも「出来ます。」と手を挙げている方々がいる。それぞれは細腕だが力を合わせて山を動かそうという思いは一つだ。

「幸いなことよ。弱っている者に心を配る人は。主はわざわいの日にその人を助け出される。」詩篇41篇1節

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