ゆるり日記

息抜きに身の回りのことや聖書のことなど気の赴くまま書きます

台風が過ぎ去った後で

今日の名古屋は台風一過、少しずつ風がおさまってきて日差しが顔を出しました。

f:id:yururi3ptl:20220920124708j:image早やハナミズキの木に赤い実が…その上にヒコーキ雲

台風の多い沖縄で生まれ育った私は子どもの頃台風が好きでした。学校は休校でしたし、隣の家族が我が家に避難してきたのでそこの家族と一緒におにぎりを食べたり、そこの子ども達と時間制限なく遊べるのが楽しく嬉しかったことの1つでした。

隣家は台風の度に家屋が傾いたので台風が過ぎると地域青年団の男衆が来て家に縄をかけ少しずつ起こすのですが、彼らの一致した働きぶりは子どもの私の目にも美しく気持ちが良いもので、いつも少し離れた場所から見学していました。

家屋が傾くのも珍しい光景だと思いますが、あれだけの地域一致団結ぶりも最近では見ることができないものだと思います。男衆が力仕事をしている間、近所のおばさん達は楽しそうにお茶出しやら昼食作りをします。台風が多い沖縄ですから、うちの近所では1年に何度となくそのような光景が見られたものですが、数年後に隣家が新築してからはそんなこともなくなり、やがて近所づきあいも希薄になっていきました。

私が台風の翌日に気持ちが良いと思っていたのが他にもあって、それは空気でした。大人は復旧作業で忙しくてゆっくり空を見上げる余裕は無さげでしたが、子どもの私はチリやホコリが洗い流された澄んだ空気が気持ち良くて「ずっとそのままの空気だったらいいのに。」と思っていました。

大人になって自分が試練の中にある時に、人生の嵐は苦しいけれど本当はそれを通して人の優しさや有難さを知り、気づかないうちに付いてしまった人生のチリやホコリが洗い流されて澄んだ目で物事を見直す機会なのかも知れないと思えたのは子どもの頃の台風の記憶からでした。