花にまつわる失敗談
先日以前住んでいた家のそばを通ったら90代のご近所さんが育てた黄色いバラがきれいに咲いていました。本人は数年前に施設に入ったので今は息子さんが世話をしているのでしょう。今年は剪定されて以前より多くの花がついていました。
最初にそこを通った時は急いでいて写真を撮る時間がなかったのですが、帰りにわざわざ回り道をして撮ってきました。特に親しくしていた訳ではないですが愛情をかけて育てていたおばあさんを思い出します。お花っていいですね。
お花といえば1人の青年がデートに向かっている時に通りがかりの花屋で素敵な花束を見つけました。親元を離れて社会人になったばかりだったので金銭的な余裕はありませんでしたが、その花束なら自分でも買えると思い一番良さそうな花束を迷うことなく買いました。
彼女の喜ぶ顔を想像しながら足取りも軽く待ち合わせの場所に行き、ワクワクしながら花束を差し出すと彼女は困惑した顔をして一言。「それね、お仏壇に供える仏花よ。」
ストレートな彼女の言葉に青年は顔を真っ赤にして「そうですか。知らなかった。すみません…。」
さっきまでのワクワクした気持ちは一瞬にして萎んだそうです。
そんなこんなありながらも2人は無事に結婚して3人の子どもにも恵まれ、若い方々から慕われる素敵な夫婦になりました。
そして控えめな性格ながらも機知に富む彼はガッカリ落ち込んだ仏花エピソードを話の導入に用いて人々の笑いを誘っていました。人は成功談も好きですが人さまの失敗談もホッとするのか好きですね。